甲冑の裏側拝見
みなさん、こんにちは〜。
私の絵本作家としてのブログで、「ホテル山の荘」というお宝ホテルをご紹介しておりますが、
http://ehon.tokitahiroshi.com/?day=20100228
このホテル、実は甲冑好きには有名な隠れた名所なんです。
今日はこのホテルに所蔵の甲冑で、普段見えない甲冑の裏側をご紹介しますね。
実はこのホテルの甲冑展示室は拝観無料で、しかもガラスなどの仕切りがないので、鼻息がかかる距離まで接近してなめるように鑑賞できるのです。
しかも私はもう何度も通いつめているので、フロントのお姉さんから「おさわり御免」を頂いております。

そんなわけで、普段は見ることの出来ない部分までちょっとめくってみたりすると、いろんな発見があるのですよ。
たとえばこちら。



豊臣秀吉公が梶原家に下賜した甲冑だそうですが、すでに色あせていて、紐が白っぽくなっています。
でも、草摺を裏返してみますと、ほらこのとおり、

平紐は昔の色をとどめていて、鮮やかな朱色です。
どの博物館にある甲冑も、今は色あせて落ち着いた雰囲気を持っていますが、出来た当時、絹糸は蛍光色に近い派手な色彩を発しますから、かなりケバケバしく目立っていたでしょうね。
こちらの甲冑の野郎頭兜は眉庇(額の部分)が、ちょっと珍しく絵革と鋲で飾られていて、上記のものより新しいような気がしますが、胴は実戦期のものと同じ特徴を持っています。

この袖も、ちょっとめくってみましょう。

組み紐(糸)の下になって見えない部分には金箔を押していないんです。
これなら全体が金色に見えますが、金箔押しが鉄板の半分の面積だけですむので、経済的。
余計なところには金をかけないんですね。
さらによく見ると、板の部分は表面に段々が付いているのに、裏は平らです。
この表面の段々の盛り上がりは飾りで、小札(こざね)を古来どおりにつづり合わせたように見せるため、パテ(当時はコクソといいます)をもりあげてそれを再現した「なんちゃってテクニック」なのです。
実際に鉄砲が使用され始めると、小札をつづり合わせるより鉄板一枚のほうが丈夫なのですが、小さな見栄えにもこだわっていたのです。
こちらはまた別のなんちゃってな表現方法。
江戸後期くらいの飾り甲冑です。

鉄板の上にパテを盛り上げるのではなくて、裏から打ち出した薄い鉄板の裏側に補強をかねてパテを埋め込んでいます。
これなら剥げ落ちてもバレません。
手にしたときの質感もそれなりにあります。
ただし薄い鉄板に縦線の打ち出しをするので、衝撃耐久性は落ちます。
飾り甲冑だから、これもありなのでしょうね。
では、室町以前の本格的な作りにこだわった甲冑はどうなっているかというと、

江戸時代の復元品ですが、これは古来どおりの本小札。

小札をつづり合わせているので、裏にも凸凹が出ています。
しかも見えない部分なのに金箔まで押しています。
戦もない時代、鉄砲に弱い前時代の甲冑を、本格的にこだわって金をかけて作らせるなんて、相当お金持ちのお武家様だったようですね。
甲冑は武士の「晴れの衣装」で「死に装束」。
だから目いっぱい目立っていたい。でも、無駄なお金は使いたくない。
戦がなくなっても、武家であることを示したい。
甲冑をめくると、当時の武士の悩みが見えるような気もしますね。
私の絵本作家としてのブログで、「ホテル山の荘」というお宝ホテルをご紹介しておりますが、
http://ehon.tokitahiroshi.com/?day=20100228
このホテル、実は甲冑好きには有名な隠れた名所なんです。
今日はこのホテルに所蔵の甲冑で、普段見えない甲冑の裏側をご紹介しますね。
実はこのホテルの甲冑展示室は拝観無料で、しかもガラスなどの仕切りがないので、鼻息がかかる距離まで接近してなめるように鑑賞できるのです。
しかも私はもう何度も通いつめているので、フロントのお姉さんから「おさわり御免」を頂いております。
そんなわけで、普段は見ることの出来ない部分までちょっとめくってみたりすると、いろんな発見があるのですよ。
たとえばこちら。
豊臣秀吉公が梶原家に下賜した甲冑だそうですが、すでに色あせていて、紐が白っぽくなっています。
でも、草摺を裏返してみますと、ほらこのとおり、
平紐は昔の色をとどめていて、鮮やかな朱色です。
どの博物館にある甲冑も、今は色あせて落ち着いた雰囲気を持っていますが、出来た当時、絹糸は蛍光色に近い派手な色彩を発しますから、かなりケバケバしく目立っていたでしょうね。
こちらの甲冑の野郎頭兜は眉庇(額の部分)が、ちょっと珍しく絵革と鋲で飾られていて、上記のものより新しいような気がしますが、胴は実戦期のものと同じ特徴を持っています。
この袖も、ちょっとめくってみましょう。
組み紐(糸)の下になって見えない部分には金箔を押していないんです。
これなら全体が金色に見えますが、金箔押しが鉄板の半分の面積だけですむので、経済的。
余計なところには金をかけないんですね。
さらによく見ると、板の部分は表面に段々が付いているのに、裏は平らです。
この表面の段々の盛り上がりは飾りで、小札(こざね)を古来どおりにつづり合わせたように見せるため、パテ(当時はコクソといいます)をもりあげてそれを再現した「なんちゃってテクニック」なのです。
実際に鉄砲が使用され始めると、小札をつづり合わせるより鉄板一枚のほうが丈夫なのですが、小さな見栄えにもこだわっていたのです。
こちらはまた別のなんちゃってな表現方法。
江戸後期くらいの飾り甲冑です。
鉄板の上にパテを盛り上げるのではなくて、裏から打ち出した薄い鉄板の裏側に補強をかねてパテを埋め込んでいます。
これなら剥げ落ちてもバレません。
手にしたときの質感もそれなりにあります。
ただし薄い鉄板に縦線の打ち出しをするので、衝撃耐久性は落ちます。
飾り甲冑だから、これもありなのでしょうね。
では、室町以前の本格的な作りにこだわった甲冑はどうなっているかというと、
江戸時代の復元品ですが、これは古来どおりの本小札。
小札をつづり合わせているので、裏にも凸凹が出ています。
しかも見えない部分なのに金箔まで押しています。
戦もない時代、鉄砲に弱い前時代の甲冑を、本格的にこだわって金をかけて作らせるなんて、相当お金持ちのお武家様だったようですね。
甲冑は武士の「晴れの衣装」で「死に装束」。
だから目いっぱい目立っていたい。でも、無駄なお金は使いたくない。
戦がなくなっても、武家であることを示したい。
甲冑をめくると、当時の武士の悩みが見えるような気もしますね。



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